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省エネ法・温対法・フロン排出抑制法

省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)

改正省エネ法(H30年改正)が施行されます。

複数事業者の連携による省エネ計画の認定制度を創設

[平成30年改正の背景]

産業・業務部門では、事業者による積極的な省エネの取り組みの結果、省エネがかなり進んできたため、最近10年間のエネルギー消費効率(エネルギー消費原単位)の推移を見てみると、産業部門においてほぼ横ばい、業務部門においては近年足踏み傾向にあります。

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こういった現状を打破し、省エネの取り組みを加速させていくためには、個々の事業者の枠を越えて複数の事業者が連携する新たな省エネの取り組みを促進していく必要があるため、従来の事業者単位だけではなく、複数事業者の連携による省エネの取り組みも適正に評価する制度を新たに設けられました。

省エネ法改正のポイント

▼ポイント1 複数事業者の連携による省エネ計画の認定制度が創設されます。

改正法では、新たに「連携省エネルギー計画」の認定制度を設け、認定を受けた複数の事業者が、事業者間の連携により削減した省エネ量を、それぞれの事業者に分配して報告できることとしています。

より適正な省エネの評価を得られることで、事業者が積極的に連携し、省エネに取り組むことが期待されます。

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▼ポイント2 グループ企業において省エネ法の義務を一体的に履行することが可能になります。

改正法では、グループ企業の親会社が「認定管理統括事業者」の認定を受けた場合、親会社が子会社の分まで含めた省エネ法の義務を一体的に履行することができるようになり、事業者の負担が軽減されるとともに、グループ全体の報告に基づいて省エネ取り組みを評価することで、費用対効果を考えたメリハリのある省エネ取り組みが進むことが期待されます。

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▼ポイント3 支援策の強化

省エネ法の改正に伴い、省エネ取り組みを後押しする補助金や税制措置といった支援策が講じられます。

その他、省エネ取組の優良企業を対象に「中長期計画」提出頻度の軽減(数年に1度)等、法規制の対象事業者の負担を軽減するとともに、事業者がより省エネに取り組みやすい環境づくりがなされます。

省エネ改正法のポイント

  1. 1.省エネに加えて「節電」が努力義務化されました
    改正法では、「エネルギーを使用する者」は「エネルギーの使用の合理化(=「省エネ」)に努めるとともに、電気の需要の平準化に資する措置(=「節電」)を講ずるよう努めなければならない」とされました(4条)。これにより、「省エネ+節電」の法的な努力義務が課せられることになります。特定事業者に限らず、全ての事業者が対象となっている点に留意が必要です。なお、罰則はありませんが、主務大臣は必要により事業者に対して指導及び助言をすることができるとされています(6条)。
  2. 2.経済産業大臣から「節電の指針」が告示されました
    平成25年12月27日に、経済産業省より「工場等における電気の需要の平準化に資する措置に関する事業者の指針」が告示されました。
    これは全ての事業者が順守しなければならない、いわば「節電の指針」とも言うべき規範となります。(<ご参考>参照)
  3. 3.ピーク時間帯の「節電」が高く評価されます
    電気需要平準化を推進する必要があると認められる時間帯として、経済産業大臣が「電気需要平準化時間帯」(=ピーク時間帯)を指定します。ピーク時間帯は、夏季(7~9月)、冬季(12~3月)の8~22時(休日含む)になっています。
    そして、このピーク時間帯の節電については、電気事業者からの買電量に評価係数を乗じることにより、高く評価される制度が導入されます(「電気需要平準化評価原単位」)。「節電の努力が1.3倍評価となる」とご理解下さい。

<ご参考>

「工場等における電気の需要の平準化に資する措置に関する事業者の指針」
(平成25年12月27日,経済産業省告示第二百七十一号)より抜粋

工場又は事務所その他の事業場において電気を使用して事業を行う者は、エネルギーの使用の合理化を図るとともに、電気の需要の平準化に資する措置の実施を図るものとする。

  1. 1 電気需要平準化時間帯における電気の使用から燃料又は熱の使用への転換
  2. 1‐1 自家発電設備の活用
    (1)コージェネレーション設備
    ア.ガスタービン、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、燃料電池等のコージェネレーション設備の導入を検討すること。
  3. 1‐2 空気調和設備等の熱源の変更
    (1) 空気調和設備
    ア.ガスエンジンヒートポンプ吸収式冷温水機等の燃料を消費する設備や排熱投入形吸収式冷温水機等の排熱を有効利用した熱源設備の導入を検討すること。
    (2)加熱設備
    ア.ガス炉等の燃料を消費する加熱設備や蒸気式乾燥機等の熱を消費する加熱設備の導入を検討すること。
    【東邦ガス注:ガス厨房機器給湯器・ボイラを含みます】

過去の省エネ法改正(平成20年度改正)

工場・事業場単位から企業単位へ(工場等)

企業全体(本社、工場、支店、営業所など)の年間エネルギー使用量(原油換算値)が合計して1500kl以上であれば、そのエネルギー使用量を企業単位で国へ届け出て、特定事業者の指定を受けなければなりません。

特定連鎖化事業者も新たに規制の対象になり得ます

コンビニエンスストアなどのフランチャイズチェーンも同様に事業全体でのエネルギー管理を行わなければなりません。

義務

  1. 1.定期報告書の提出(企業単位)
  2. 2.中長期計画書の提出(企業単位)
  3. 3.エネルギー使用状況届出書の提出
  4. 4.エネルギー統括者の選任(企業の事業経営に発言権を持つ役員クラスの者など)
  5. 5.エネルギー管理企画推進者の選任(エネルギー管理統括者を実務面で補佐する者)
  6. 6.エネルギー管理者・エネルギー管理員の選任(エネルギー管理指定工場がある場合)

省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)とは?

省エネ法(昭和54年6月22日)制定の背景と対象分野の拡大

1970年代、2度にわたるオイルショックを契機に、我が国の経済発展のためにはエネルギーの効率的利用が不可欠であるとして、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(通称省エネ法)が制定されました。

当初の省エネ法における規制は、工場と、非住宅建築物の2分野にかけられていましたが、時代が進むにつれて規制の対象は順次拡大されてきました。前回の平成20年度改正では、(1)工場等(2)輸送(3)建築物(住宅・非住宅)(4)機械器具の4分野まで拡大され、平成25年度改正では(5)電気事業者が新たに追加されています。

省エネ法(平成25年度改正)の概要

省エネ法では、それぞれの分野においてエネルギーの効率的利用と節電(電気の需要の平準化)に関する義務がかけられており、違反者に対する指導・助言・勧告・命令・罰金等の罰則が規定されています。

制度の対象 義務
工場等 一定以上エネルギーを消費する事業者 電気の需要の平準化を考慮したエネルギー消費量の届出・削減努力、エネルギー管理士等の選任等
輸送 一定以上の規模の輸送をする事業者、荷主 電気の需要の平準化を考慮したエネルギー消費量の届出・削減努力等
建築物 (民生部門) 一定以上の規模の住宅・建築物を建てる者 住宅・建築物の新築・改築・設備改修時に省エネ性能評価の届出、電気の需要の平準化の努力等
機械器具等 一定以上の量の機械器具の製造・輸入をする者 省エネ性能の向上努力、性能表示、電気を消費する機械器具に係る電気の需要の平準化に資する努力等
電気事業者 電気事業者 電気の需給状況の開示、電気の需要の平準化に関する計画の作成・公表等

参考:エネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和五十四年六月二十二日法律第四十九号)

温対法

温対法改正の主なポイント(平成20年改正、平成21年4月から施行)

温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度の見直し

省エネ法改正に伴い、対象者の要件と報告単位が変わります。

【対象者の要件と報告単位(改正前後の比較)】

特定事業所排出者の排出量
温室効果ガスの種類 対象者報告単位(現行制度) 対象者報告単位(改正後)
●エネルギー起源 CO2

【省エネ法で下記に指定される事業所を設置している事業者】

  • ●第一種エネルギー管理指定工場
    (原油換算エネルギー使用量3,000kL/年以上)
  • ●第二種エネルギー管理指定工場
    (同1,500kL/年以上)

(→事業所単位で報告)

【省エネ法で特定事業者に指定されている事業者(全ての事業所のエネルギー使用量合計が1,500kL/年以上)】

(→事業者単位で報告)
※ただし、左記に該当する事業所の排出量も併せて報告

上記以外の温室効果ガス
  • ●非エネルギー起源 CO2
  • ●メタン(CH4 )
  • ●一酸化二窒素(N2O )
  • ●ハイドロフルオロカーボン類(HFC )
  • ●パーフルオロカーボン類(PFC )
  • ●六ふっ化硫黄(SF6 )

次の(1 )および(2 )の要件をみたす者

  1. (1 )温室効果ガスの種類ごとに、排出量がCO2換算3,000トン以上となる事業所を設置している事業者
  2. (2 )事業者全体で常時使用する従業員の数が21人以上

(→事業所単位で報告)

次の(1 )および(2 )の要件をみたす者

  1. (1 )温室効果ガスの種類ごとに、全ての事業所の排出量合計が
    CO2換算で3,000 トン以上となる事業者
  2. (2 )同左

(→事業者単位で報告)
※ただし、左記に該当する事業所の排出量も併せて報告

フロン排出抑制法(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律)

フロン排出抑制法は、オゾン層の保護と地球温暖化の防止を目的に、フロン類を使用した機器の製造者や使用者等がフロン類の排出抑制のために講じるべき措置を定めた法律です。

これまでは、フロン類の排出抑制を目的に「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(フロン回収・破壊法)」が平成13年に制定され、業務用冷凍空調機器の整備時・廃棄時にフロン類を回収、破壊等が進められてきました。
しかし、地球温暖化係数の高い代替フロンの急増、冷媒回収率の低迷、機器使用中の漏洩等が問題となったことを受け、フロン回収・破壊法は平成25年にフロン排出抑制法に法改正されました。フロン排出抑制法では、これまでのフロン類の回収・破壊に加え、フロン類の製造・使用・廃棄までを通じてフロンの排出を抑制するための措置が定められています。

フロン排出抑制法のポイント

フロン排出抑制法では「第一種特定製品※1」の管理者※2は、新たに以下の事項を遵守する必要があります。

1.機器の設置環境・使用環境の維持保全

2.下表に示す簡易点検・定期点検

  点検内容 点検頻度 点検実施者
【簡易点検】
全ての第一種特定製品
製品の外観確認等
※具体的な方法は「簡易点検の手引き」を参照
3か月に1回以上 実施者の具体的な制限なし
【定期点検】
うち圧縮機の定格出力が7.5kW以上の機器(上乗せ)
直接方や間接法による冷媒漏えい検査 1年に1回以上(ただし、圧縮機の定格出力が7.5〜50kW未満の空調機器については、3年に1回以上) 十分な知見を有する者(社外・社内を問わない)

3.フロン類の漏えい時の措置

4.点検・整備の記録作成・保存

管理者の具体例

上述のとおり、業務用のエアコンディショナー、冷凍冷蔵機器を所有する事業者は、基本的に全て、管理者となります。したがって、管理者となりうる者の具体例としては、事業所や自社ビル等を所有する全ての業種の事業者(独立行政法人等の団体・機関を含む。)、医療関係(病院、介護施設等)、学校関係、飲食業関係、農林水産業関係(食品工場漁船等)、宿泊関係(ホテル、旅館等)、運輸関係(冷蔵冷凍倉庫、鉄道、旅客機、船舶)等が対象となります。

参考:環境省HP フロン排出抑制法(平成27年4月施行)

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