家電量販店大手のエディオン本社(大阪市)を訪問。店舗開発統括部長の片岸浩一氏に店舗の省エネへの取り組みなどについて聞きました。
全国1200店舗を展開
おもちゃ売り場にも工夫
- -インタビュアー
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まずは事業概要についてお聞きします。
- 片岸
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エディオングループは中部地方を基盤とするエイデンと、中四国九州地方を基盤とするデオデオの持ち株会社として2002年に設立されました。その後、近畿地方のミドリ電化、関東地方の石丸電気と事業統合し、「エイデン」「デオデオ」「ミドリ」「イシマル」の各店舗ブランドで地域特性を生かした事業をしてきましたが、12年、エディオン設10周年を機に店舗ブランドを「エディオン」に統一しました。家電販売を主に、現在は「エディオン」と子会社サンキューが運営する「100満ボルト」などで全国1200店舗以上のネットワークを築いています。
家電販売のほかにも携帯電話事業のエディオンコミュニケーションズや住宅設備事業のエディオンハウスシステム、情報システム運営・開発事業のエヌワーク、家電製品のリユース・リサイクル事業のイー・アール・ジャパンなどの子会社を有し、多彩な分野で事業展開しています。
- -インタビュアー
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家電製品のリユース・リサイクルは、なかなかほかにはない独自の取り組みですね。これは経営理念にもつながっているのですか。
- 片岸
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「効用の提供と完全販売によるお客様第一主義の実現」が経営理念です。
「効用の提供」は、お客様に商品そのものではなく、商品から得られる利便性や快適性などの「価値」の提供を意味します。
一方「完全販売」とは、当社とお客様の関係は商品を販売した時点で終わるのではなく、その商品が使命を果たしたときに初めて完了するという考え方です。お客様が商品を長く使い続けていただけるよう、故障してもすぐに修理を実施できるサービス体制を敷いています。
このようなお客様を第一に考える体制が、ひいてはその後も当社を選び続けていただけることになると考えます。
- -インタビュアー
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売り場で工夫されていることはありますか。
- 片岸
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当社は「体験・体感いただける売り場作り」を掲げ、その実現に注力しています。例えば男性向けの電気シェーバー。展示品をラップでラミネートしているお店がある中、当社の店舗はその場で試していただけるよう充電した状態で置いています。さらには常に気持ちよく使えるよう、担当者が清掃などのメンテナンスを定期的に実施しています。
家族連れで来店していただいたお客様に楽しんでもらう売り場作りにも力を入れています。例えば一部店舗のおもちゃ売り場では、鉄道模型のジオラマを上から見られるように登り台を設置しています。
また広島・福山市のエディオン福山本店には炊飯ジャーをイメージしたオリジナルのボールプールを造りました。ネット通販であらゆる商品が手に入る現代だからこそ、わざわざ店舗まで足を運んでくださったお客様にしか体験できない価値の創造を追求しています。
- 株式会社エディオン 執行役員
店舗開発本部 店舗開発統括部長 - 片岸浩一氏
福岡県北九州市生まれ。1986年第一産業株式会社(現株式会社エディオン)入社。99年から九州・四国エリアの旗艦店店長を歴任し、2010年から九州営業部のエリア長、営業部長を務め、営業責任者として店舗の指揮指導にあたる。現在は店舗開発統括部を担当し、新規出店・S&B・既存店のリーシングなどの業務に携わっている。
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エディオン名古屋本店の売り場の様子
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エディオン名古屋本店に設置されている
GHPエクセルプラス
名古屋本店にGHP導入
高効率とスピードが魅力
- -インタビュアー
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家電量販店は広大な売り場に様々な種類の電気製品を店頭に展示するので、どうしても光熱費がかさみがちだと思います。効率的なエネルギー利用に向けた方策を教えてください。
- 片岸
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まずはガスヒートポンプ(GHP)による空調システムの活用が挙げられます。GHPは室外機のコンプレッサーをガスエンジンで駆動するもので、運転スピードの速さと高い効率性が特徴です。エディオンの直営家電店336店舗のうち既に118店舗でGHPを導入しています。
その一つ、エディオン名古屋本店には高効率GHPエグゼアと電源自立型空調GHPエクセルプラスを導入しました。エイデン創業地の名古屋にある同店は当社の中核店の一つで、売り場面積が1700坪(約5700平方㍍)、駐車台数403台の多層階の大型店舗です。導入以前の電気空調では早い段階から系統ごとに順番に電源を入れていく必要がありました。東邦ガスのエグゼアは立ち上がりが速いため、開店直後から快適な売り場環境を提供できるようになりました。
- -インタビュアー
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これからの寒い時期、オープンしてすぐ店内が暖かくなるのは助かりますね。そのほかのメリットは。
- 片岸
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低いランニングコストがあります。GHPは空調用特約料金を使用できて経済的。その上、都市ガスは基本料金の割合が小さいため、省エネ運転による空調使用のコスト削減効果が大きい。ピーク電力のカットにも貢献しますので、電力の基本料金も削減できます。
手厚いサポート体制も魅力です。長期にわたるフルメンテナンス契約に基づく定期点検により安心して使用でき、何かあってもすぐ対応していただけます。
災害・非常時の対応も万全。各フロアのエントランス部に設置したGHPエクセルプラスは、もし地震などで停電しても自家発電により1階エントランスホールと2~6階のエレベーターホールの照明を維持し、お客様の安全を確保します。
これからもGHPを積極的に導入していく予定です。
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エディオン名古屋本店に設置されているGHPエグゼア
LED照明化を進める
34%のCO2削減率を達成へ
- -インタビュアー
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GHPには多くのメリットがあるんですね。GHPのほかにどのような省エネ活動を展開していますか。
- 片岸
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二酸化炭素(CO2)排出削減の観点から、店舗内の照明を発光ダイオード(LED)照明に順次切り替えています。2014年4月から既存店舗にLED照明を本格的に導入しており、2014年度は34%のCO2削減率を想定しています。これからも直営全体のLED照明化を進め、5年間で完了する計画です。
- -インタビュアー
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最後に、今後の展開をお聞かせください。
- 片岸
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地球環境の負荷低減はわれわれにとって重要な社会貢献活動の一つと考えます。そのために資源の有効活用やリサイクル、省エネに引き続き積極的に取り組んで、豊かな暮らしの実現に注力していきたいと考えます。
- -インタビュアー
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普段、何気なく利用しているエディオンですが、売り場の省エネにGHPが活用されていることが分かりました。本日はありがとうございました。
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エディオン名古屋本店のエントランスホール
[取材日]2014年11月10日
日本経済新聞 名古屋支社版 平成26年12月22日朝刊掲載 「Ecology Case Study」広告特集より転載
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