再生可能エネルギーとして注目を集めている「太陽熱」を利用した冷暖房が可能です。
東邦ガスでは実証試験を進めています。
従来、太陽熱は一般家庭・病院・福祉施設などで給湯に用いられるのが一般的でしたが、ソーラークーリングでは太陽集熱器とナチュラルチラー(吸収冷温水機※)を組み合わせることで太陽熱を冷暖房に利用できます。
※「ナチュラルチラー」は、環境に優しい水冷媒を利用したガス吸収冷温水機の愛称です。
東邦ガス津営業所では、老朽化した空調設備の入れ替え工事に合わせソーラークーリングを導入し2010年1月から運転を開始しました。太陽集熱器は139m2敷設しており、夏は太陽熱で作った温水をナチュラルチラーへ導入して冷水を作り、冬は暖房用温水として用いています。これまでの太陽熱による空調エネルギーの省エネ効果は約12%となっています。
ソーラークーリング専用の「ソーラーナチュラルチラー」も2010年6月に商品化されています。このソーラーナチュラルチラーは太陽熱でも都市ガスでも運転ができ、太陽熱を効率よく優先的に利用し不足熱量を都市ガスで補うため、天気に左右されることなく、快適にお使いいただけます。
主な仕様
太陽集熱器 |
総面積:139m2 真空管形:83m2 平板形:56m2 |
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熱源機 |
三重効用ナチュラルチラー 冷房:527kW 暖房:290kW |
蓄熱槽 |
4.9m3 |
運転開始 |
2010年1月~ |
- 集熱器は特性比較のため平板形と真空ガラス管形の2種類を設置しています。
- ナチュラルチラーは吸収式では最も効率の高い三重効用を採用しています。
- 集熱器で温められた温水は一旦蓄熱槽に蓄えられ、冷房時はナチュラルチラー、暖房時は暖房用熱交換器に送られます。
- 冷房時の温水温度は約70℃、暖房時は50℃になります。
- 太陽熱による省エネ効果は暖房期間(1月~4月、11月の一部)で13%、冷房期間(5月~11月の一部)で11%、期間平均で12%でした。
- 三重効用ナチュラルチラーによる高効率化の効果も含めると、これまで50%以上の省エネとなっています。