病院、商業施設などの代表者を訪問。省エネ・エコロジーなど環境問題への取組みについてリポートします。
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旨い・安全・安心の豆腐を
食育を通じて地域に貢献

-インタビュアー

まずは、おとうふ工房いしかわについてご紹介ください。

石川

曽祖父の代から続く豆腐屋を1990年に引き継ぎ、その翌年に有限会社おとうふ工房いしかわを立ち上げました。以来、着実に成長を続け、現在は豆腐とその加工食品としてのお菓子やデザートの製造・販売のかたわら、レストランなども展開しています。直近では売上高は50億円を超え、従業員数も500人を数えるまでになりました。

-インタビュアー

急成長を遂げていらっしゃるのですね。会社設立から今までずっと順風満帆だったのでしょうか。

石川

そうでもありません。大学を卒業して東京でサラリーマンをやっていたのですが、28歳のときに一念発起し家業を継ぎました。当時はバブルが崩壊していく中でモノの値段がどんどん下がり、気づくと当社もその流れに飲み込まれていたのです。
そんな折、ある転機がありました。自分が作った豆腐を子どもに食べさせたときに「この豆腐は本当に正しいものなのか。もっと正しいものを作らなければいけない」という思いに至ったのです。そこで、「自分の子どもに食べさせたい豆腐」を理念に掲げて、国産大豆100%とにがりにこだわった製品作りに取り組みました。

-インタビュアー

子どもに安全・安心なものを食べさせたいという思いから、現在の“快進撃”が始まったのですね。

石川

はい。でも、それだけではありません。国産原料を使うことで国内農業の振興につながりますし、日本の食文化を後世に伝えることにもなると考えています。社訓「旨(うま)い安全安心 そんな豆腐が作りたい 日々努力 日々勉強」は、そんな思いを込めたものです。おかげさまで、最近では当社の製品や企業姿勢が多くの消費者からご理解、ご支持をいただけるようになってきたのを感じます。

-インタビュアー

御社は、地域貢献にも力を入れていらっしゃいます。

石川

地元の小学校や市民講座で行う豆腐作り教室や、地域に開放した工場見学、障がいをもった人たちの授産施設への作業委託など様々な活動を展開しています。中でも特に力を入れているのが食育です。社内サークルが発展した「NPO法人だいずきっず」をベースに、地元の子どもたちに大豆の豆まき、収穫、豆腐作りまで一貫して体験してもらっています。これまで10年ほど続けていますが、うれしいことに2015年、第3回「食と農林漁業の食育優良活動表彰」で最高の農林水産大臣賞を頂きました。また、高浜市にある授産施設「高浜安立」では、ガスで乾燥したおからと大豆、米粉で作ったアレルゲン除去のお菓子「ぱりっと大豆せんべい」を製造しています。この収益で通所者の給与を増やそうとして、産官学で始まった「工賃倍増プロジェクト」です。

石川 伸氏

おとうふ工房いしかわ
代表取締役
石川 伸氏

1963年愛知県生まれ。日本大学農獣医学部食品工学科卒。大学卒業後、商社系の大手豆腐メーカーに就職。5年勤務した後、家業を継承し、91年におとうふ工房いしかわを設立。年商約3000万円だった町の豆腐屋を、25年間で年商約50億円の企業に成長させる。高浜市観光協会会長や高浜とりめし学会会長なども務める。

  • おとうふ工房いしかわの様子(工場内)

    おとうふ工房いしかわの様子(工場内)

  • おとうふ工房いしかわの商品(ぱりっと大豆せんべい)

    おとうふ工房いしかわの商品(ぱりっと大豆せんべい)

  • おとうふ工房いしかわの様子(大まめ蔵)

    おとうふ工房いしかわの様子(大まめ蔵)

エネルギー設備の都市ガス化を推進
電源のベストミックス目指す

-インタビュアー

豆腐作りではたくさんのエネルギーを使っていると思います。御社ではエネルギー利用に関してどんなお考えで臨んでいますか。

石川

実は、豆腐の製造工程はすごく長いうえ、原料の大豆の温度を上げたり、下げたりが続きます。そのために大量のエネルギーが必要です。そこで、省エネであることはもちろんとして、「自分の子どもに食べさせたい豆腐」を作るなら、少しでも環境にやさしい工場であるべきだと考えています。
その一環として17年前に工場を建てた際にエネルギー設備の都市ガス化を進めました。都市ガスは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)や光化学スモッグなどの原因となる窒素酸化物(NOx)などの排出が少なく、環境に優しいクリーンなエネルギーです。
省エネというとコスト削減という面ばかりが注目されがちですが、当社では企業イメージ、ブランドイメージの向上という側面を重視しています。当社のお客様は女性が中心であり、省エネであること、環境にやさしいことに対して非常に敏感です。省エネや環境対策に真摯に取り組む姿が当社に対する信頼感を高め、お客様から選ばれる理由の一つになっていることを実感しています。

-インタビュアー

たしかに多くの女性は商品選択に際して、エコか否かを厳しくチェックしていますよね。ほかにエネルギー設備の選定で重視している点はありますか。

石川

電源のベストミックスを目指しています。電力需要が夏場にピークに達する一方で、ガス需要は冬場にピークを迎えます。そこで、季節や時間帯によって運転する機器を選択することで、省エネやコスト削減を実現する狙いです。

効果大のガス蒸気ボイラ
廃油のエネルギー化に成功

-インタビュアー

ガスシステムの導入効果を具体的に教えてください。

石川

17年前の移転時に「ガス蒸気ボイラ」をはじめとして「ガスヒートポンプ(GHP)」「GHPチラー」「ガスコージェネレーションシステム(CGS)」などを導入しました。豆腐の製造工程において、重要な役割を担うガス蒸気ボイラの導入効果はとても大きいです。以前利用していた灯油ボイラと比べて、1.省エネルギー化  2.管理負荷軽減  3.省スペース  で大きな効果がありました。具体的には、灯油ボイラに比べて燃焼効率が高く省エネルギー性に優れていたり、灯油の購入・管理も不要で作業環境が清潔だったり、設置スペースがコンパクトなうえ灯油タンクが不要といったことなどが挙げられます。ほかにもGHPやGHPチラーなどのガス空調や、ガスで発電するCGSを導入することで、電力デマンドを削減することができました。また、CGSの発電時の廃熱はガス蒸気ボイラの給水予熱に有効利用しています。

-インタビュアー

御社の人気商品である「きらず揚げ」やその材料である「乾燥おから」の製造工程にも、今後はガスシステムを導入されるそうですね。

石川

はい。油揚げを揚げた廃油に助燃剤としてガスを噴霧することを熱源として、おからを乾燥させる仕組みです。当初はなかなか廃油が燃えず困っていましたが、東邦ガスさんに相談したところたちまち解決してくれました。廃油を捨てることなく、エネルギー化できるめどがたち、非常に助かります。乾燥おからは今ブームになっていますが、その製造工程は、ガスシステムが支えてくれています。

-インタビュアー

ガスシステムが、ブランド力のみならず売り上げの向上にも貢献していることが分かりました。本日はありがとうございました。

ガス蒸気ボイラ

  • おとうふ工房いしかわに設置されているガス蒸気ボイラ

    おとうふ工房いしかわに設置されているガス蒸気ボイラ

  • おとうふ工房いしかわの様子(工場内)

    おとうふ工房いしかわの様子(工場内)

おとうふ工房いしかわ

おとうふ工房いしかわ

〒444-1304 愛知県高浜市豊田町1丁目204-21
電話 (0566)54-0330
URL http://www.otoufu.co.jp

日本経済新聞 名古屋支社版 平成28年3月9日朝刊掲載 「Eco REPORT」広告特集より再編集・転載

今回登場したボイラ・給湯器についてはこちらをご覧ください。

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