強みは高い
コストパフォーマンス
- -インタビュアー
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御社は全国に事業展開する老舗ホテルですが、四日市が創業の地なのですね。
- 松井
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現在の本社所在地である四日市市に、1957年に木造2階建て15室の駅前旅館「新四日市ホテル」を開業したのが始まりです。69年に前社長(現会長)村木敏雄がビジネスホテルの黎明(れいめい)期に、他に先駆けて積極的に旅館からビジネスホテルへの転換を図り、その後、三重県内各都市への出店を進めました。そして料飲事業等へも進出し、さらに多店舗化を進め、東海地区での基盤を固めたのち、2003年にはホテル軒数で世界第2位のチョイスホテルズインターナショナル社(米国)と提携し、主に「コンフォート」ブランドにてチェーン拡大を図りました。
現在は、チョイスホテルズ事業とグリーンズホテルズ事業の2つを柱に事業を展開しています。
チョイスホテルズ事業は、関連子会社のチョイスホテルズジャパンを日本でのフランチャイザーとして、チョイスホテルズインターナショナル社のブランドホテルを運営する事業であり、現状はコンフォートホテルを中心に50のホテルを運営しています。
一方、グリーンズホテルズ事業は東海・北陸地域を中心に27ホテルを運営し、宿泊主体型ホテルや、レストラン、宴会場を併設したコミュニティータイプのホテルを展開しています。
業績は順調で15年6月期の売上高は225億300万円と過去最高を記録しました。
- -インタビュアー
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御社の強みは何ですか。
- 松井
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お値打ち感とお客様満足度を追求した、コストパフォーマンスの高い商品、サービスが当社の強みだと考えています。そのベースになるのが半世紀にわたって培ってきた当社のホテル経営のノウハウと世界最大級のインターナショナルホテルチェーンの経営ノウハウの融合であり、また創業時から変わることのない「おもてなしの精神」により、お客様に心から満足していただける、地域になくてはならないホテル企業として、より一層の成長、拡大を目指しています。
- -インタビュアー
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ユニークなサービスも提供されていますね。
- 松井
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例えばチョイスホテルズ事業のコンフォートホテルでは「快眠」をテーマにした客室づくりを行っています。独自に開発した快眠枕など、快眠をサポートするグッズをそろえてお客様に提供し、好評を得ています。
グリーンズホテルズ事業のホテルでは地域密着をコンセプトに、伊賀牛や三重県産真鯛等、その地域で生産された食材を積極的に使用する「地産地消」を行っています。また、2015年4月にリニューアルした伊賀上野シティホテルでは、忍者をコンセプトとした「NINJAルーム」をつくるなど、その地域の特長を生かした客室づくりにも取り組んでいます。
- -インタビュアー
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サービスの質向上のため、人材育成に特に力を入れられていますね。
- 松井
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かたちある製品を持たないホテル業にとって、人材は同業他社との差別化を図るための重要なファクターであり、成長力の源泉となるものです。さらにおもてなしをする上で、人材力こそ重要なポイントだと考えています。
当社は新入社員から経営幹部まで、階層ごとに必要なスキルや知識を習得し、人材力を高めるための充実した教育研修制度を用意しています。おかげさまで有為な人材が多数育ってきています。
- 株式会社グリーンズ
代表取締役社長 - 松井 清氏
1956年三重県鈴鹿市生まれ。80年仏ナンシー大学フランス文化コース修了。同年、創業期から成長期に移行しつつあった株式会社新四日市ホテル(現、株式会社グリーンズ)に入社。86年ホテル事業部長。89年に取締役就任、常務(98年)、専務(99年)を経て、2013年に代表取締役社長に就任。現在に至る。
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コンフォートホテル中部国際空港の様子(ロビー)
環境負荷低減へ
ISO14001取得も
- -インタビュアー
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ホテル運営の競争力を高める上で、エネルギー対策は大変重要なポイントになると思いますが、どんな取り組みをされていますか。
- 松井
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空調や照明の切り忘れ確認など、日々の巡回業務は徹底して行っています。店舗ごとに詳細な水・光熱使用量の管理を実施し、適切な使用量を知ることで、異常数値発生時の原因を的確に把握でき、迅速な対応が可能になりました。こうした取り組みは従業員の省エネ意識向上にもつながっています。
また一部の店舗(5カ所)で省エネ対策の一環として、環境管理の国際規格「ISO14001」を取得し、環境負荷低減に努めています。ここで得た経験とノウハウを水平展開し、ローコストオペレーションに生かしたいと考えています。
- -インタビュアー
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エネルギー設備の選定にあたって、重視する点は何でしょうか。
- 松井
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お客様の利便性を第一に考えた機器選定を行っています。例えば、空調機器は暖房能力が高く、すぐに暖まる、ガスヒートポンプ(GHP)の導入が増えています。その上で発光ダイオード(LED)照明など、環境に配慮された省エネルギー機器の導入も、設備機器の入れ替え時に進めています。また、既存店舗におけるボイラー燃料をA重油から都市ガスへ順次更新、各店舗の省エネに大きく寄与しています。
顧客満足と
環境配慮の両立図る
- -インタビュアー
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中部国際空港(セントレア)に隣接するコンフォートホテル中部国際空港では、ガスシステムを導入されているそうですね。
- 松井
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コンフォートホテル中部国際空港は、弊社が運営しているホテルの中で最も利用者が多いホテルです。お客様へ快適な環境を提供するためにGHPを採用しました。パワフルでスピーディーな暖房が特徴であるGHPは、ホテルロビーや広い共用スペースで活躍しています。また、電力デマンドの削減効果が大きく、ランニングコスト低減を図れます。クリーンな都市ガスを利用することで二酸化炭素(CO2)削減効果もあり、環境にも優しい空調です。
GHP以外にはガスコージェネレーションシステム(CGS)を採用しました。CGSは発電時に発生する廃熱を給湯に利用できるため、省エネ効果を期待できます。また、電力の二重化が図れ、停電時にはCGSを保安用電源とすることで、安定した電力運用が可能になりました。
- -インタビュアー
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ガスシステムの導入効果はいかがですか。
- 松井
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お客様に快適な環境を提供できることはもちろん、省エネ、省電力、省コストにつながっています。GHPの性能は向上しており、経済性や環境性に優れた空調機器であると評価しています。
また、弊社にとって環境対策は一過性のものではなく、継続して取り組むべき経営課題です。本業を通じた社会貢献こそがCSV(共通価値の創造)活動にとって重要ではないでしょうか。単なる善意ではなく、実利的な側面にもつながることが大切で、そうした取り組み姿勢がブランド構築に寄与すると考えています。
- -インタビュアー
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2016年は伊勢志摩サミット、20年には東京五輪と大きなイベントが続きます。ホテル需要も増えていくと思うのですが、最後に今後の事業戦略を教えてください。
- 松井
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需要拡大期にある今、積極的な店舗展開で事業を拡大していく考えです。コンフォートホテルのブランド価値、お値打ち感をより高めることで顧客満足度を向上させ、他社との差別化を図っていきたい。それには従業員満足を維持しながらローコストオペレーションに一段と磨きをかける必要があります。そういった意味で、削れるコストが少ない中、ガスシステムの導入効果に対する期待は大きなものがあります。
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コンフォートホテル中部国際空港に設置されているGHP
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コンフォートホテル中部国際空港に設置されているガスコージェネレーションシステム
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コンフォートホテル中部国際空港の様子(客室)
コンフォートホテル中部国際空港
〒479-0881 愛知県常滑市セントレア4丁目2-3
電話 (0569)38-7211
URL http://www.choice-hotels.jp/centrair/
株式会社グリーンズ
〒510-0067 三重県四日市市浜田町5-3
電話 (059)351-5593
URL http://www.kk-greens.jp/
日本経済新聞 名古屋支社版 平成28年3月2日朝刊掲載 「Eco REPORT」広告特集より再編集・転載
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